中学生が音楽教師に抱く感情。
その両極端を体験。
1年の時。
美人ではないがセンスがよく芸術家タイプの女性教諭。
男子がいつも取り巻きのように彼女のまわりにいたっけ。
2年の時。
いかにも音楽教師という感のちょっと太めな中年教師。
男子が言うこと聞かなかったなあ。
クラスにマサトキ君という歌の上手い男子がいて、
先生は何かにつけ、彼に歌わせる。
彼も歌が好きみたいで断わらずに歌う。
そこでまた、
「あ〜あ。またアイツかよ」
みたいな空気が男子に流れていた。
今、思えば、先生はマサトキ君と取っかかりにして
授業をスムーズに進めたかったんだろうなあ。
そんな音楽の授業。
1年の1学期。
芸術家肌の先生のもと、シューベルトの「魔王」鑑賞である。
詩はゲーテ。
父と子がかけあいで歌う。
「お父さん、そこに魔王がいるよ」
「ぼうや。あれは枯れ葉のざわめきじゃ」
「お父さん。お父さん。聞こえないの? 魔王が何か言うよ」
「ぼうや。あれはヤナギの幹じゃ」
そんなやり取りが続き
この坊やは「魔王に連れ去られて、息絶えて」しまう。
クラスでもおとなしく目立たなかった私が
なんで、教壇に上がって
この「ぼうや」役をやるはめになったんだろう。
今もって、よくわからない。
誰かが「Oさんがいい」と言ったのか…?
理由はなんとなくわかっている。
この「黄色い声」のせい。
小さい時から「声が高い」「キンキン声」だのと言われ続けていたから。
その時やったかけ合いが
単なる朗読だったのか、メロディーに合わせて歌ったのかも、
よく覚えていない。
あー。
歌ったかも。
今でもメロディー覚えてるもん。
音痴なのに、歌ったのかよ???
くはーーー