(
続き)
今までに九州国立博物館には数回、足を運んでいる。
いつも山手の駐車場からの入館。
今回はせっかくなので、天満宮の駐車場に車を止め、大宰府天満宮への参道を歩くことに。
どんな参道かって?
浅草の仲見世みたいな感じ、かな。
あれほど長くはないけど、ゆるい坂道を登っていく。
天神様にお参りし、わき道から博物館へ。
ひろちゃんに聞いていたが、
そこには、とても長いエスカレーターがある。
エスカレーターを上りきると、
今度は「動く歩道」。
いつになく写真がブレてしまったが、
これこそ、日常とは違う世界へ入っていくトンネル。
あたりの壁には七色に変化するイルミネーションが。
そして、
その先に、
向かい合うように、
よく見ると、
ブルーの阿修羅に、白い方が写りこんでいる。
そして、いよいよ「阿修羅展」へ。
聞けば
「1時間待ちはザラ」
ところが、
この悪天候。
待ち時間なし!
「や、やった!」
もちろん、会場内はごった返してはいたけれど、
しっかりと見ましたとも!
阿修羅像はガラスなしの、円形の台座に鎮座していて、
そのまわりを入館者が時計回りに歩いて見るのだが、
なんせ、進まない。
ちょうど「お顔」のあたりにどうしても人が集まってしまう。
なんとか進んでも、途中にやはり人が入って見るので、進まない。
好きなところから「阿修羅像を囲む輪」に入っていいからだ。
手こそつないでないが、
あまりに超スローモーな「マイムマイム」状態。
その時、マーメイドさんがぼそっとナイスな発言。
「阿修羅像がまわってくれたらいいのに…」
笑った。
心の中で笑った。
そんな「牛歩」ではあったけれど、
なんとかぐるりと観賞。
「阿修羅」といえば、つい萩尾望都の「百億の昼と千億の夜」を思い浮かべてしまう私。
あの阿修羅は「少女」だった。
もちろん「戦う神」であり、「修羅場」の語源にもなった「阿修羅」だが、
あの「少女」同様、この阿修羅もどうしてこうも「澄んだイメージ」なんだろうか。
もうひとつ。
「阿修羅」といえば、みんなのうた。
NHKの「みんなのうた」。
高校生になっても大好きだった。
たしか「塔の春」という歌があった。
「お国めぐりシリーズ」のひとつで、
その歌詞に
あれは阿修羅の像
何、見てる
手をふりかざして(ふりあげて?)どうするの
のぼっておいで、塔の上
もう、かなり昔のことで、歌詞もうろ覚えだが、
多分この頃に「興福寺の阿修羅像」を始めて認識、もしくは意識したのだと思う。
そして今回、じかに阿修羅像を見て、
いちばんの感動は
その衣服である。
色は褪せているので、想像するしかないのだが、
その風合い、といってもいいくらい、柔らかな質感とゆるく動きになたびく造形に脱帽。
くだけていうと
「ほんとの布でできた衣服みたいやったっちゃ。触ってみたら柔らかいかもと思えるくらい」
阿修羅像の先には、これまた素晴らしい造形が私たちを待っていた。
(7月25日)
(
続く)